1, はねやすめとひこうタイプの取り扱い
はねやすめ使用時、ひこうタイプはどうなっているのか?
ポケモン対戦をしているひとであれば、先制ではねやすめを行ったひこうタイプのポケモンにじしんが当たるという体験はしたこともあるかとおもう。
ただ対戦をしているなかで「ひこうタイプが失われている」のか「ひこうタイプの相性が消えている」のかまでを判別できるような状況に遭遇したひとはいないのではないだろうか。
こういった情報を調べる際に参照すべきサイトを知らないが、ポケモンWikiのはねやすめの項ではわざの概要に「そのターンひこうタイプに対する相性の判定がなくなる」と書いてありながら、ページ下部にはひこうタイプそのものが失われるようにも読める記述がなされている。(2015/12/29時点)
そこで「ひこうタイプが失われている」場合と「ひこうタイプの相性が消えている」場合とで結果の異なるわざであるシンクロノイズを用い、検証を行った。
※シンクロノイズ:わざを使ったポケモンとダメージを受けるポケモンのお互いのタイプに共通するものがある場合に発動するエスパータイプのわざ。発動条件を満たさない場合はわざが発動しない。
【結果】はねやすめをしたファイアローにネイティオがシンクロノイズをした場合 pic.twitter.com/DYckyg45A2
— ノート (@nouthuca) 2015, 12月 26
はねやすめをしたファイアローに対してネイティオのシンクロノイズが発動しなかったことから、「はねやすめをするとポケモン自体からひこうタイプが失われている」と考えられる。
2, はねやすめとひこう単タイプの取り扱い
はねやすめ使用時にポケモン自体からひこうタイプが失われているとするならば、ひこう単タイプがはねやすめを使用した際にはどうなっているのか?
ひこう単タイプであるトルネロスははねやすめを覚えないため、なりきりを覚えるペラップで特性をへんげんじざいに変化させることでひこう単タイプがはねやすめを使用する状況を作る。
※なりきり:自分の特性を相手の特性と同じものにする。
※へんげんじざい:使用するわざが使用するポケモンのタイプと異なる場合、使用するポケモンのタイプをわざのタイプへと変化させる。これはわざのタイプを含む複合タイプも異なるタイプとみなされる。
【結果】特性へんげんじざいのゲッコウガに対してペラップがなりきりを使用した後、ペラップがはねやすめを選択した場合 pic.twitter.com/pX3Lya5Fdy
— ノート (@nouthuca) 2015, 12月 28
特性がへんげんじざいとなった後にはねやすめをしたペラップはノーマル単タイプと同じタイプ相性となった。
しかし、この結果に対してペラップが本来持つノーマルタイプとの関連があるのではないかという疑問の声があがったため、ペラップからラティアスへと変更を行い同様の検証を行った。
【結果】特性へんげんじざいのゲッコウガに対してラティアスがなりきりを使用した後、ラティアスがはねやすめを選択した場合、ラティアスは pic.twitter.com/WM2rlW0UIh
— ノート (@nouthuca) 2015, 12月 29
その結果はペラップと同様、ノーマル単タイプと同じタイプ相性となった。
このことから「ひこう単タイプがはねやすめを使用するとノーマル単タイプと同じ相性になる」と考えられる。
タイプ相性がノーマルタイプのものになっていることは確認できたが、それが「ノーマル単タイプになっているから」なのか「タイプを持たないポケモンの相性はノーマルタイプとなるから」なのかが分からないままである。
そこでイーブイが用いるシンクロノイズが発動するかどうかを調べることによってそのどちらであるかを確認する。
ファイアロー、特性が変幻自在に変化したペラップとラティアスがそれぞれはねやすめをしているところにイーブイがシンクロノイズを選択した場合、そのシンクロノイズは pic.twitter.com/VIv8UeVyRF
— ノート (@nouthuca) 2015, 12月 30
上記ペラップとラティアスがはねやすめをした際にイーブイのシンクロノイズが発動したことから、「ひこう単タイプのポケモンがはねやすめをした際にそのポケモンはノーマル単タイプになる」ということができるだろう。
はねやすめをしたファイアローには発動しなかったことから、ひこう以外にタイプを持つポケモンのひこうタイプが消えたところにタイプ相性を考慮しないノーマルタイプがついていることもないといえそうである。
しかしタイプが変化するほかの状況、へんげんじざいやテクスチャーでのタイプ変化はポケモンが手持ちに戻るまでタイプが変化したままなことと比べると、そのターンだけタイプが変化するはねやすめの処理は特殊なものにみえる。
はねやすめ以外のタイプ変化は場のポケモンのタイプを管理する変数を上書きしていると考えられるが、はねやすめはその変数を変化させることはないのではないだろうか?
これに対して以下のような仮説を立てる。
仮説:はねやすめを行うと一時的に付与されるこんらん状態と類似した扱いの「はねやすめ状態」が付与され、ダメージ計算を行う際にはその状態を参照しタイプを行っている。
これを検証するため、ひこう単タイプのポケモンがはねやすめをしたときにそれを対象としてメタモンでへんしんを行い、そのタイプ相性を測定する。
へんしんしたメタモンがひこうタイプの場合:
ひこう単タイプがはねやすめをした場合にも常にノーマルタイプにはなっているわけではなく、また、「はねやすめ状態」をへんしんでコピーすることもできない。
へんしんしたメタモンがそのターンはノーマルタイプ、次のターン以降はひこうタイプの場合:
ひこう単タイプがはねやすめをした場合にも常にノーマルタイプになっているわけではないが、「はねやすめ状態」をへんしんでコピーすることができる。
へんしんしたメタモンがそのターン以降もノーマルタイプの場合:
ひこう単タイプがはねやすめをした場合、常にノーマルタイプになっているか、あるいはへんしんの際にも「はねやすめ状態」が参照されノーマルタイプに変化している。
【結果】ラティアスが特性へんげんじざいのゲッコウガに対してなりきりを使用した。
その次のターンにラティアスがはねやすめを使用し、そのラティアスに対しメタモンがへんしんを選択した場合、そのターンのメタモンのタイプは pic.twitter.com/E6hXtXMIsN
— ノート (@nouthuca) 2016, 1月 3
その結果、はねやすめでひこう単タイプに変化したラティアスにへんしんしたメタモンのタイプはひこう単タイプであったため、「ひこう単タイプがはねやすめをした場合にも常にノーマルタイプにはなっておらず、『はねやすめ状態』もコピーできない」と考えることができそうである。
結論:ひこう単タイプがはねやすめをするとノーマル単タイプになるわけではないが、そこに攻撃を行いダメージ計算の処理に移った場合はノーマル単タイプとして扱われる。
アプリのダメージ計算を作っているときに、はねやすめのところをどう記述するのが正解なんだろうっておもっただけだったのになんでこんなはねやすめに執着した振る舞いになってしまったんだ。
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